ぴよ将棋の棋力
棋力認定は基本的にはやらないつもりなのですが、初心者・級位者の方(特にお子さん)には昇級・昇段は励みになると思うので、なにか基準を作りたいなと思っています。
ルールを覚えたら20級の認定状をあげるとか、そんな感じで。
アプリやブラウザ版で一番手軽、かつ、「うまく弱くしている ※」と思うぴよ将棋さんの棋力を参考にしたいと思っているのですが、あまり簡単ではないなと感じています。
※ 昔からそうなのですが、将棋ソフトは強くするよりも「自然な弱さにする」ということが非常に難しいのだそうです。プロの棋力を超えてしまった今、人間らしい弱さを持ったAIを開発されている方もいらっしゃるくらいです 。ぴよ将棋は普及しているアプリの中では比較的自然な弱さを再現していると思っています。余談ですが、かつてはレベルを低く設定すると、飛車・角をタダでプレゼントしてくる...というようなソフトが多かったです。隔世の感があります。
(最新のAIは強すぎるので除きますが、)一般的にAIの特徴として、「序盤は人間の定跡を改良して使う(人間のトップクラスとそれほど差がない)」、「中盤は指し手のバリエーションが多すぎてちょっと変な感じの手が多い(人間と違って「方針」というものを立てているわけではないので、一貫性が無い)」、「終盤になると読みの物量差で無茶苦茶強い」という傾向があると思います。
なので、人間の勝ちパターンとしては、中盤までに安全圏まで差を広げておいて、終盤に難解な手を指させない...というのが良いと思うんですね。
で、ぴよ将棋さんなのですが、ちょっと不思議な感じがします。
たとえばこれ。
ぴよ将棋の三段(R1540)が相手ですが、序盤の無理な仕掛けをこちらが咎めるのに失敗しまして、中盤では駒損+玉形の不安定さで、こちらがハッキリ悪くなっていたと思います。
そこからこちらは粘りに行ったのですが、なぜかぴよさん側が攻めあぐね、自玉周辺の駒を動員して攻めるような格好になって、切らせてこちらが勝っています。
これに限らずなのですが、だいたいぴよさん側が終盤で悪手を連発するという傾向が強いように思います。
なんでなんでしょうねー。
詰めろ、一手スキ、二手スキ、のような基本的な概念がないのが理由かなとも思いますが、それにしても結構極端に形勢を損ねてくれます。
で、結局、これは棋力認定に使えるのかどうかというところですが、
とりあえず、初段くらいまでのメルクマールにはなるんじゃないかというのが今のところの見解です。
初段(R1000くらい)でもそれなりに複雑な仕掛けをやってきたり、無理気味の攻めを成立させてきたりする印象なので、おそらく町道場初段程度とR1000程度は同じくらいなのではないかと。
これだけを基準とはしませんが、「初心者の方を初段程度まで導く」ということをひとつの目標としているので、ぴよさんを「試験官」として使うこともできなくはないかなと思います。