※補足※「必死」について
2023年06月20日
前の記事で説明なく「必死」という言葉を使ったのですが、「必死」は将棋用語です。
一般的には「労力のすべてを掛けて物事に対処する」というような意味ですが、将棋用語の「必死」は、文字通り、「必ず死ぬ」状態のことを言います。
要するに適当な受け(守り方)が無い状態です。
ちょっと将棋教室。
たとえばこんな感じです。
後手玉はこれで「必死」になっています。
▲4二金打と▲6二金打の2つの詰めろ(次に王様が詰む状態)を同時に受けることは、どんなに持ち駒が豊富でも絶対にできません。
玉の退路は全部塞がってしまっていて、5二の銀を動かしても状況が変わらず、4二と6二を同時にカバーできる駒が将棋には存在しない...という状態になっています。
画像は参考の部分図ですが、実戦でも時々現れる形です。
こうなってしまったら後は先手玉を詰ますことができるかどうかだけが勝敗を左右する要素です。
将棋には「長い詰みより短い必死」という言葉があります。
長手数の難解な詰みを読み切るよりも、(自玉が詰まないことが分かっているのであれば、)必死を掛けてしまう方が簡単で確実...という意味の言葉です。
長い詰みを読み切れればカッコいいですが、詰ましに行くときには大抵、相手に駒を大量に渡してしまいます。
ひとつでも間違えると詰まない上に、相手に渡した大量の駒によって自分の玉が大ピンチになってしまう...ということがよくあります。
プロの先生ならともかく、最速・最短の勝ちよりも安全・確実な勝ちを目指す方が良いと思います。
書いていて思ったのですが、用語集でも作ろうかな。
将棋には専門用語がかなり多いです。
意識せずに使ってしまうので、あったら便利と思ってくれる方もいるかもしれないですしね〜。